社長宅のリノベーション物語 25 ~耐震工事について~
2024年11月12日 14:34:00

今回は、「耐震」について。


リフォームや、リノベーションで、耐震工事を行おうと思うと、結構大変なんです。

木造軸組み工法の家(柱と梁で構成されている家)の耐震性能を上げる為には、

梁と柱と土台を、緊結して固める必要があります。

専門用語で難しいので、簡単に説明すると

耐震工事をするには、室内の「壁」と「床」と「天井」を壊すか、

外壁を全て壊して、柱の外側で耐震工事をすることになります。

つまり、「耐震工事をするには、めっちゃ壊す必要があり、費用がかかる」んです。


木造住宅の耐震工事を行うには、2つ方法があります。

⓵筋交いを増やす

②耐震ボードを貼る


⓵の「筋交いを増やす」場合、壊す箇所が少なくできるメリットがありますが、

柱と柱の間に筋交いを設けるので、断熱材が入りにくくなります。


②の「耐震ボード」の場合、壊す範囲が多くなるデメリットはありますが、

耐震性能がぐんと高まり、柱と柱の間に、しっかり断熱材を入れることが出来ますので、

同時に「耐震」と「断熱」性能を高める事が出来るんです。

さらに、ボードには「耐火性能」が高く、「透湿抵抗」も高いので、

火に強く、水にも強いのです。


今回は、既存の外壁を全て撤去したので、②の「耐震ボードを貼る」ことにしました。


耐震工事を行うには、まず「耐震診断」を行います。

現状の家の耐震性能がどれくらいあるか、既存の筋交いの位置を確認して、計算します。

そして「耐震評価」を出します。


残念ながら工事前の自宅は「評価0.3」であり「倒壊する可能性が高い」でした。

このまま、大地震が来てたら、ぞっとします。

そこで、耐震ボードを外壁面全体に貼って、建物の内部に筋交いを増やす計画で

耐震計算をし「評価1.05」まで「一応倒壊しない」まで上げました。



もっと耐震性能を上げることも出来ますが、建物の形や既存の柱や梁の形状にもよるので

自宅の耐震は「評価1.05」でOKとしました。

そして、計算では出ない「構造用金物」を増やして、揺れにくい建物にしました。